「XF35mmF1.4 R」が人気の理由は、”特徴的な収差”にあった!?

フジフイルム(Xマウント)の単焦点レンズ「XF35mmF1.4 R」は、しばしば「神レンズ」と称されています。その理由は、「サイズ感」や「かっこいい角形フード」などさまざまですが、一番の理由は「描写」にあります。

このレンズが「描写」で人の心を奪うのはなぜか? キーワードは「特徴的な収差」です。

「XF35mmF1.4 R」は、”特徴的なレンズ”として設計された

「XF35mmF1.4 R」は、Xシリーズ最初期に設計・発売されたレンズです。そこで開発者は、「何か特徴を付けようと考えて設計」したといいます。

(コンパクトカメラにはない)立体感のある背景ボケを追求したんです。少しだけ収差を特徴的にしています。コントラストは特に高いわけではありません
(『FUJIFILM X-Pro2 パーフェクトガイド』p.49, 玄光社 より引用。カッコ内は筆者による)

この文章に、「XF35mmF1.4 R」の特徴がギュギュっと凝縮されていますね。

  1. 立体感のある背景ボケが追求されている。
  2. 少しだけ収差を特徴的にしている。
  3. コントラストは高くない。

せっかくなので、これら3つについて検証してみることにしましょう。なんだか、レンズのレビューっぽくなってきました(笑)

「XF35mmF1.4 R」を特徴づける3つの要素

立体感のある背景ボケ

まずは「立体感のある背景ボケ」について。

これを文字通り解釈するのであれば、「立体感」は「背景ボケ」にかかっています。つまり、ボケを立体的な質感にすることで、被写体をより立体的に描写しよう、ということになりそうです。

試しに一枚、見てみましょう。

(XF35mmF1.4 R, f/2, 1/500, ISO 200)

ピントが合ったソーセージの先端から、次第にボケていっても分かるパンの質感。なめらかな包み紙。全体的にボケているのに、のっぺりとせずに描写されたマグカップ。

絞り開放ではありませんが、ジュウブンに「立体感」が感じられる一枚です。

なるほど。被写体を浮かび上がらせるのは、ただ被写界深度が浅ければいいのではなく、ボケの質感も大切な要素なのですね。

少しだけ特徴的に設計された収差

「少しだけ収差を特徴的にしている」というこのレンズ。では、どのように収差が特徴的なのでしょうか。

アリサワ

そもそも「収差」とは、丸ボケのかたちが押しつぶされたように、あるいは流れるようなかたちになることをいいます。詳しくは「Amazing Graph」さんの「今さら聞けないレンズの収差ってなんだ!?<色収差編>」をご覧ください。

写真で見てみましょう。

(XF35mmF1.4 R, f/1.4, 1/1250, ISO 200)

収差、収差…。正直、「収差」については覚えたての日本語なので、僕が断定することはできません。ここはぜひ、皆さまの力をお借りしたいところです。

あえて言うならば、周辺のボケが”円を描くようにして”にじんでいるような気がします。

これを「〇〇収差がでている」「周辺部の描写が甘い」と捉えるか、それとも「このボケ感がレンズを特徴づけている」と捉えるかで、レンズに対する愛着が変わってきそうですね。

コントラストは高くない

最後に、「XF35mmF1.4 R」はコントラストが低めに描写されます。

「コントラスト」という言葉もまた、理解できているようで理解できていない、そんな言葉の一つです。とりあえずは、コントラストが「高ければメリハリのある写真」で、「低ければやわらかな写真」になると解釈しています。

ただ、このコントラストは写真の見栄えを大きく左右する要素です。強すぎると「自然な色」が失われますし、弱すぎると「立体感のない」写真になります。

Twitter等でポートレートを見ていると、全体のコントラストを下げて「ふんわり」と仕上げている写真をよく見かけます。たしかに肌がやわらかくなる効果がありますが、モデルさんの個性が失われていく気がするので、僕はやりすぎないように気をつけていました。

それにしても、明暗差のある写真があまり見つかりません…。

(XF35mmF1.4 R, f/2, 1/1300, ISO 400)

さらに、フジフイルムには「フィルムシミュレーション」があるので、レンズがもつコントラストの強さを補正することができます。

あくまでも「レンズ本来のコントラストを表現したければ、階調補正を控えめにするといいよ」ということなのでしょうか。

まとめ 開放で撮りたくなるレンズ

今回は「XF35mmF1.4 R」の魅力を、3つの視点で検証してみました。

  1. 立体感のある背景ボケが追求されている。
  2. 少しだけ収差を特徴的にしている。
  3. コントラストは高くない。

ここまで書いてきても、まだレンズの性格を理解しきれていない僕がいます。しかし、その一歩目を踏み出すことができたような気がしています。

今後「XF35mmF1.4 R」を使うときには、この性格をもとにして色調・階調補正を行ってみたいと思います。

皆さまのなかで、「いやいや、自分はこういう理解をしているよ」という考えがありましたら、教えていただけると幸いです。

2 Comments

koromo

初めまして。
arisawaさんのサイトを偶然二回発見したのでコメントさせてください。
fuji のお写真がとても素敵なのと文章が優しくサイトも見やすいです。
構図が綺麗な作品も素敵ですがsnap記事の作品も私は好きです。

fujiの写真とカメラデザインが好きで最近xt20とxe3の購入を悩んでます。
今は古いx100s使用中です。。

arisawaさんの作品の色も好きなのですが作品はjpeg出しでしょうか?
それともフィルムシュミレーションにパラメーターを加えてますか?

それかおなじt2購入だと近いですか?

初心者質問でごめんなさい。。

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jtaro_arisawa

>>koromo 様
初めまして。コメントをくださり、ありがとうございます!
あたたかな言葉の数々に、心の中でガッツポーズをしてしまいました。
ブログをやっていて、そして写真を撮っていて「良かった!」と思える瞬間です。

さて、当ブログに掲載されている写真の中で「X-T2」や「X-Pro2」で撮影したものは、ほぼすべて「jpeg撮って出し」です。
中には「カメラ内現像」を施したものもありますが、最近はその手間を省略したいので、保存形式を「FINE」にしております。つまり、RAWデータは一切残らないように設定しています。

そしてフィルムシミュレーションについては、その場で「これがふさわしいかな」と思ったものを適用しています。
しかしすべてを使いこなせているわけではなく、「PROVIA」や「Pro Neg.Std」そして「クラシッククローム」に「ACROS」を使用することが多いです。
今は季節の影響なのか、派手な色は出したくないので、シャドウトーンや彩度をマイナスに設定して撮影しています。

もしも気になる写真がございましたら、お手数ですが「この記事の〇枚目!」と書き込んでいただけると、覚えている限りで「どういう気持ちで」「どういう設定で」撮影したのかお答えすることが可能です。

機材についてですが、おそらく「X-T20」や「X-E3」でも、スペック上は同じ写真が撮れると思います。
しかし、僕の短いカメラ経験から学んだのは、「このカメラだからこそこの被写体を撮りたくなった」という場面が多いということです。
なので、カメラ選びのポイントとして「最後はフィーリング」と言いますが、それには100%同意できます!

僕の場合は「Nikon D750」から「FUJIFILM X-T1」に乗り換えたので、X-T1やX-T2のサイズ感に違和感を覚えたことはありません。
持ち運ぶときも、愛用している「ひらくPCバッグ」に入るのがグッドです。ただ基本的には首から提げていたい人間なので、これ以上大きくてごついカメラだとちょっと…、という感じです。

また「X-T2」のメリットとしては、ファインダーの覗きやすさと、質感、それから防塵・防滴仕様が挙げられます。
これらのメリットがゆずれない条件ならば「X-T2」がおすすめですが、逆にこれらの要素が必要ない場合には「X-T20」や「X-E3」でも問題ないと思われます。
ただし、最近のフジフイルムは大きなレンズが増えてきたので、「X-T20」や「X-E3」だとボディとのバランスが悪くなる恐れもあります。
なので理想をいうと、すべてのカメラを所有できるといいのかもしれません(笑)それは夢のまた夢ですが…。

ひとまず、今の僕がお伝えできるのは以上になります。
僕はまだまだ実力のない初心者ですので、日々色々なことを試しながら撮影しています。
それでも、僕の経験が少しでも参考になれば幸いです。

また何かご質問・感想などがありましたら、返信やコメントをいただければと思います。
ブログは読者の皆さまとつくりあげていく場なので、どんなに些細なことでも構いません(^_^)
よろしくお願いいたします。長文失礼しました。

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